ピーマンの苦味成分は、健康に良い物質だった!
一昔前、子どもが嫌いな野菜といえば、ピーマンでした。しかし、2022年の「子どもが嫌いな野菜ランキング」では、ピーマンは5位にランクイン。年々、「子どもが嫌いな野菜ランキング」の順位を下げているのです! ※1
これは、品種改良されることでピーマンの苦みが減り、全く苦みが無いものが出回っているためと考えられています。
ピーマンの苦みの理由は?
ピーマンの独特の青臭さの原因は、ピラジンという物質です。また、苦みの原因は長らくわかっていませんでしたが、2012年のタキイ種苗とお茶の水女子大学の共同研究により「クエルシトリン」という渋味物質が「ピラジン」と合わさることで、ピーマンの苦みと感じられていることが明らかになりました。※2
ピーマンを悪役にしているピラジンとクエルシトリン。しかし最近の研究では、健康に良い成分であることが分かっているのです! ピラジンは血流改善作用、クエルシトリンは便秘改善、降圧、抗炎症作用などが報告されています。まさに「良薬は口に苦し」ということですね。
しかし、いくら健康に良いといっても、それだけでは子どもがピーマンを食べる理由にはなりません。
やはり美味しくないと子どもには食べてはもらえない。そこで、細かくきざんで炒めてみたり、肉詰めにしたりと苦労をしている親御さんも多いのではないでしょうか。
調理方法の他にも、苦みを低減するためには、調味料を上手に活用するという手もあります。
ある研究では、風味評価と原因物質の分析により、マヨネーズやドレッシングを利用することでピーマンの苦みが低減するということを明らかにしています。※3,4
大人になるにつれて、ピーマンの良さが分かる?!
子どもが苦手なピーマンですが、大人になると普通に食べられるという人も多いようです。
人間は、舌にある味蕾(みらい)という部位で味を感じています。味蕾は、成長するにつれて減少していきます。そのため年を重ねると、子ども時代ほど苦みを感じにくくなり、以前食べられなかったものが食べられるようになることがあると考えられています。
野菜科学研究会では、夏野菜のピーマンを美味しく食べられるレシピを掲載しています。
ピーマンには、ビタミンCが豊富に含まれています。ビタミンCは、紫外線からのダメージを軽減し、シミやそばかすを防いでくれます。
※1タキイ種苗 2022年度 野菜と家庭菜園に関する調査
https://www.takii.co.jp/info/news_220824.html
※2 https://www.takii.co.jp/info/news_120319.html