果物と野菜

これって果物? 野菜? 魅惑の「果実的野菜」に迫る!

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甘くてジューシーないちご、メロン、スイカたち。
これらの実は、野菜であることを、知っていますか?

野菜の定義は、国によって異なるものがあります。国内でも、科学者や省庁によって分類が異なることも。

野菜科学研究会では、いちご、メロン、スイカは「果実的野菜」として取り扱っています。しかしこれらは、一般的な認識や調査によると「果物」として扱われているのが現実です。

それでは一般的に、野菜と果物の違いはどのように認識されているのか考えてみましょう。

野菜と果物の3つの違いとは

まず、食べる部位の違いです。
野菜は、葉、茎、根、果実といろんな部位を食べられます。一方、果物の食べる部位は「果実」です。厳密には果実に見えるだけで、本当は違うという場合もあります。

次に大きな違いは「甘さ」です。
野菜は甘くないですが、果物は甘いと感じる人が多いと思います。
糖度でいうと、きゅうりは3~5度、トマトは4~8度なのに対し、いちごは9~15度、メロンは12~18度と高めです。もちろん、品種や作り方の工夫ででもっと高いものも存在しますが、果実的野菜や果物の方が糖度が高いため、甘く感じるのです。

最後は、食事の中の位置付けです。
野菜は、基本的には副菜として食べられますが、果物はデザートとして食べられることが多いですよね。

果物の甘さ「果糖」を、適切にとり入れよう

ところで、果実的野菜や果物は甘いからと、太りやすい、健康に悪いのではと思ったことはありませんか? しかし、それは誤解なのです!

これらに含まれている糖質は「果糖」と呼ばれる糖です。
「果糖」は、砂糖と違って、直接血糖値を上げることはありません。「果糖」には、脂肪に変換されやすいという特徴もありますが、1日の果物摂取目標量の200g程度であれば、健康上問題になることは全くありません。
安心していただきましょう!

他にも、海外の研究報告では、いちごを含む果物をよく食べている人ほど、2型糖尿病のリスクが大きく低下します。さらに、糖尿病の人は果物を多く食べることで、合併症や死亡リスクが低いことが報告されています。

国内でも、国立がん研究センターの研究では、男女ともに果物摂取量が多いと全死亡リスクが低くなることが報告されています。男性では果物摂取が多いと呼吸器死亡のリスクが低下し、女性では果物摂取が多いと心血管死亡のリスクが低下することが分かっているのです。

このように、いちご、メロン、スイカは、甘くて美味しいデザートというだけでなく、健康のために積極的に食べて良い食材なのです。

果物を食べて罪悪感を感じたり、自分にいい訳したりする必要はありません。
毎日の食卓を豊かに、そして健康のために適切にとり入れましょう!

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