ヴィーガン

「ヴィーガン」や「ベジタリアン」は、本当に健康?

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SDGsやLGBTQ、多様性などが叫ばれる時代。「ヴィーガン」や「ベジタリアン」といった言葉もよく耳にするようになってきました。

彼らのように、動物性食品の一部または全部を避ける食生活を行うことを「菜食主義」といいます。菜食主義の明確な区分けについてはこちらの記事を読んでみてください。


最近では、スーパーやコンビニエンスストアでも、植物性の食品のみを使用した「プラントベースフード」を見かけることも多くなってきました。

菜食主義を選択する背景には、動物愛護、環境への配慮、宗教上の理由などが挙げられます。
2021 年の調査によると、日本において最も多い理由は「健康」のようです。しかし、「ヴィーガン」、「ベジタリアン」を選択することは本当に健康なのでしょうか?もし彼らが健康であるならば、いったいどのような面で、どの程度の効果があるのかを最近の学術記事をもとに、掘り下げてみます。

「ヴィーガン食」は、本当に身体にいい影響があった!

植物性の食品のみを使用した「プラントベース食」と、そのほかの食事をとった場合の体組成の比較について、複数の研究をまとめたレビューがあります。
22の研究のうち、17の研究で、「プラントベース食」は体組成に有意な影響があったことが報告されました。

「プラントベース食」を選択することで、体重とBMI の低下、場合によっては脂肪量の改善がみられたのです

また、代謝に関連するホルモンであるレプチン、アディポネクチンとの関連を調べた研究では、男女で異なる種類のホルモン濃度の変化が!
実験では、ヴィーガン食、または肉多めの食事を継続して摂取して4 週間後のホルモン値を比較しました。
ヴィーガン食を継続して摂取した場合は、男性ではレプチン濃度が有意に抑制され、女性ではアディポネクチン濃度が有意に増加することで、男女とも代謝が改善されました。

また、トレーニング習慣のある被験者を対象に、ヴィーガン食を8週間提供し、通常食と比べて筋力に影響があるかを調べました。
その結果、介入の前後で上半身、下半身ともにパフォーマンスに有意な差は見られませんでした。

これらのことからわかるように、菜食主義は、体組成に関してはポジティブなエビデンスが多いようです。

一方で、ヴィーガンに関する研究の中では、日本人を対象としたものはまだまだデータが不足しています。
「プラントベース食」では、たんぱく質、亜鉛、ビタミンB12などの栄養素が不足しがちだということも分かっているため、菜食主義をとるかどうかは、慎重な選択が好ましいといえるでしょう。

【参考文献】
NEO MARKETING「日本のビーガン・ベジタリアン実態調査」

Fontes T et al., Comparison between Different Groups of Vegetarianism and Its Associations with Body Composition: A Literature Review from 2015 to 2021. Nutrients. 2022 Apr 28;14(9):1853. 

Lederer AK et al., Plasma Leptin and Adiponectin after a 4-Week Vegan Diet: A Randomized-Controlled Pilot Trial in Healthy Participants. Int J Environ Res Public Health. 2022 Sep 9;19(18):11370.

Isenmann E et al., Change to a Plant-Based Diet Has No Effect on Strength Performance in Trained Persons in the First 8 Weeks-A 16-Week Controlled Pilot Study. Int J Environ Res Public Health. 2023 Jan 19;20(3):1856.

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