実は意外と最近だった!? 白菜誕生物語
寒くなると、ついつい夕食の献立にお鍋が登場する回数が増えませんか?
鍋といえば欠かせない野菜の一つが、白菜。
白菜は、漬物や鍋の材料として人気の高い冬野菜です。
私たちにとって馴染み深い野菜である「白菜」、いつから食べられていたのでしょうか…?
白菜は、国内の生産量も多く、古くから食べられているイメージがあります。
当ヤサイラボの記事でも、日本国内において市場に出荷された野菜の多い順、トップ5のランキングを掲載したことがありますが、白菜はなんと5位に入っています。
しかし、白菜が今の形状で安定的に生産されるようになったのは、20世紀に入ってからなのです!
実は白菜は、江戸時代以前から度々日本にもたらされていました。しかし、その品種を保持することができませんでした。なぜなら、白菜がもたらされる前から日本に存在していた、漬け菜やカブ、アブラナと交配し、白菜の特徴を失ってしまっていたのです。
白菜は非常に交雑性が強く、アブラナ科の野菜を近くで育てているとすぐに交雑して形質が変わってしまうからです。明治以前の日本人は、漬け菜やカブなどのアブラナ科植物と白菜が同種であるということを知らなかったことから起きた悲劇でした。
しかし、明治以降、種の概念を理解した先人たちは、白菜と同種の植物を認識し、交雑の問題を解決しました。そして、ついに白菜が日本でも普及することになるのでした!
現在売られている白菜は、結球(葉が重なり球状になる)していますが、これも長年にわたる品種改良のお陰です。原産地の中国では、結球しない品種も出回っています。
白菜の日本での歴史は新しいですが、多くの困難を乗り越えて普及した物語があるんですね!