野菜のうま味成分

野菜に含まれるうま味を引き出して、美味しいだしをとろう!

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「うま味」とは、基本の5つの味(甘味・酸味・塩味・苦味)のうちのひとつです。

うま味成分が多く含まれる食材としては、昆布やかつお、しいたけなどがよく挙げられます。昆布やかつおぶしなどは、和食のだしとしても頻繁に使われますね。和食において、だしは海産物からとるのが主流でした。

ちなみに、「うま味」は、外国でもそのままアルファベット表記で「UMAMI」と表現されます。

例えばフランス料理には、「フォンドレギューム」という野菜から取るだしがあるように、世界各国にも肉や野菜からだしをとる文化があります。フランスでは「ブイヨン」や「フォン」、イタリアでは「ブロード」と呼ばれ、スープやソースにつかわれています。

日本だけではなく、世界中の人が「うま味」を楽しんでいるんですね。

単独よりも組み合わせ!「うま味の相乗効果」を生もう!

だしの要となる代表的なうま味物質は、グルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸の3つ。白菜、トマト、アスパラ、ブロッコリー、トマトなどの野菜は、グルタミン酸が多く含まれる食材として挙げられます。

野菜のうま味成分

また、だしには「相乗効果」というものがあり、イノシン酸とグルタミン酸またはグアニル酸を合わせると、うま味が飛躍的に向上することが知られています。これは、うま味受容体の仕組みに理由があります。

私たちは、舌の表面にある受容体にうま味物質が結合することでうま味を感じます。グルタミン酸が結合した状態のうま味受容体に、さらにイノシン酸またはグアニル酸が結合すると、受容体の構造が変化します。この構造変化によって、グルタミン酸は受容体から離れにくくなり、結合状態が長時間保たれるようになります。その結果、脳へ伝わるうま味信号が強くなり、最終的により強いうま味を感じるのです。

野菜に多く含まれるのはグルタミン酸なので、イノシン酸を含む肉や魚のだしと合わせて調理することでうま味が増します。さらに野菜が美味しく食べられますね!

ヘタや皮は捨てないで活用!野菜のくずからとる「野菜だし」

野菜には、うま味物質の一つであるグルタミン酸が多く含まれるということで、ぜひ活用したいところ。そこで、いつもは捨ててしまう野菜くずを再利用することで、簡単にとれる野菜だしの作り方を紹介します。

準備するものは、野菜の切れ端、芯、皮、ワタやヘタなどの部分と、酒とお水だけなので、とっても簡単!

1.大きめの鍋に1300mLの水と野菜の切れ端を入れ、酒を小さじ1加えて火にかけます。

酒は野菜の臭みを消し、うまみを引き出してくれます。

2.沸騰する直前までは強火で、ふつふつしてきたら弱火にし、さらに20分から30分煮こみます。

3.火を止めたら、ざるで野菜くずをこして出来上がりです。

野菜はにんじん、パプリカ、なす、大根などなんでもOK。最低でも、3種類以上用いるのがポイントです。5種類以上使うと、さらに深みが増します。

つくっただしは、密閉容器に入れると冷蔵庫で3日間ほど保管ができます。

カレーづくりにはもちろん、汁物、煮物、おひたしのだし汁としてつかうのもおすすめです。

野菜のうま味の秘密を知って、美味しく食べていきたいですね!

(参考)
https://www.umamikyo.gr.jp/knowledge/ingredient.html

https://housefoods-group.com/activity/e-mag/magazine/51.html

佐藤成美『「おいしさ」の科学』
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000226700

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