「冬眠する野菜」の秘密に迫る!冬を越える野菜たちに何が起こるのか
「冬眠」と聞くと、思い浮かぶものは何でしょう?
熊、リス…? まず思い浮かぶのは、冬ごもりをする動物たち。
実は動物だけでなく、野菜も冬眠すること、ご存じですか?
こちらの記事では、野菜における冬眠「冬越しの野菜」について解説します!
野菜が採れない時期でも、新鮮な状態で出荷するために
野菜と冬眠、なんだかピンと来ない方も多いのではないでしょうか?
冬眠とは、巣外活動をやめ、地中や水の底にもぐって代謝活動を低下させて、寒い冬の間をじっと過ごすこと。
この定義を、動物だけなく植物にも当てはめると、冬越し野菜は冬眠をしているといえます。実は、農業において、野菜を冬越しさせる技術の開発が進んでいます。
なぜ、野菜を冬越しさせるのか?その秘密を2つ、ご紹介します。
基本的に、寒い冬では野菜は成長できません。だいたいの冬野菜は秋までに成長しきって、冬の間はあまり大きくなりません。
冬越しの野菜は、そのまま冬まで畑に残しておくことで、他の作物が育ちにくい閑散期の真冬でも野菜の供給を可能にします。さらに、野菜が畑に根付いているため、収穫のときまで鮮度を保つことができます。
このため、長期にわたる出荷が可能になるのです。
寒い冬の間も野菜を畑に残しておくことで、通常は収穫がない時期でも、鮮度を保ったまま出荷できる。それだけでもメリットがたくさんな冬越し野菜ですが、実は、それだけではないのです。
冬を越すことで起こる、野菜の嬉しい変化
先ほども書いたように、冬の間、野菜自体はあまり大きくなりません。見た目の変化はないものの、野菜の内側では、食材として嬉しい変化が起こっています。
寒い中、自らの持つ水分が凍ってしまうと代謝活動が停止してしまうため、野菜は凍らないように光合成で糖をたくさん作って糖度を高くします。想像すると、なんだかとっても健気ですよね。
寒い冬を越すための野菜の努力により、通常の栽培方法と比べて栄養価が高まり、食味も向上するとも言われています。
こういった冬野菜は、甘みと栄養が豊富で美味しいのです。
宮城県の仙台白菜、群馬県の下仁田ネギ、石川県の金沢春菊など、日本の各地にはその地域に根差した冬野菜がいろいろあります。
このような野菜は、鍋料理や煮物など、加熱して食べるのがおすすめです。
冬眠することで、冬の間も美味しく食べられる野菜たちをたくさん食べて、寒い季節も元気に乗り越えましょう!
【参考URL】
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1912/spe2_01.html