野菜パワーで運動パフォーマンスを高めよう!
スポーツの秋、到来です!
まだまだ暑い日もありますが、吹き抜ける風に涼しさを感じられるようになりました。
そこで、野菜科学研究会では「運動×野菜」を科学的に深堀していきます。
運動パフォーマンスを高めてくれる「硝酸塩(NO3–)」に注目!
運動パフォーマンスを高めることでよく知られている野菜の成分に、「硝酸塩(NO3–)」があります。硝酸塩は、摂取されると身体の中で一酸化窒素(NO)となります。
一酸化窒素(NO)は、酸素コストを削減したり、筋肉の働きの効率化に寄与し、血流を増加させるなどの効果があります。
この硝酸塩は、葉菜類や根菜類に多く含まれます。具体的には、かぶ、大根、ビーツなどが挙げられます。
野菜科学研究会でご案内しているレシピ「ベジラボレシピ」に、大根を使った豚汁のレシピもあるので、ぜひつくってみましょう!
硝酸塩の運動パフォーマンスに与える効果を調べた研究
硝酸塩の運動パフォーマンスに与える効果を調べた研究では、被験食品としてビーツのジュース、「ビーツルートジュース」がよく使われています。
ここでは、アスリートを対象に、ビーツルートジュースを使った介入研究の結果をいくつかご紹介したいと思います。
サッカー選手のパフォーマンス向上
32人の男子サッカー選手を対象に、6日間、ビーツジュースを1日140 mL摂取させました。
その結果、ビーツジュースを摂取しなかった時と比べて高強度断続型運動パフォーマンス(ヨーヨー間欠性回復力テストの成績)が有意に向上しました(1)。
スプリント選手のパフォーマンス向上
36人の男子スプリント選手を対象に、5日間、ビーツジュースを1日70 mL摂取させましたその結果、ビージュースを摂取しなかった時と比べて20m走で1.2%、10m走で1.6%、および5m走で2.3%のスプリント時間が有意に短縮しました(2)。
硝酸塩を豊富に含む野菜には、美味しいだけじゃない、嬉しい効果がありそうなことが分かりました。
今年の秋は、野菜パワーを活用して、スポーツにチャレンジしてみるのはいかがでしょうか?
【出典】
(1) Nyakayiru J et al., Beetroot Juice Supplementation Improves High-Intensity Intermittent Type Exercise Performance in Trained Soccer Players. Nutrients. 22;9(3):314. (2017).
(2) Thompson C et al., Dietary nitrate supplementation improves sprint and high-intensity intermittent running performance. Nitric Oxide. 30; 61:55-61. (2016).