野菜工場

畑で育つばかりでない!工場で育つ野菜たち

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野菜は、どこで作られているでしょう?

パッと浮かぶのは、畑で栽培される姿。じゃがいもやにんじんやねぎなどが土に植えられているシーンが想像できそうです。トマトなどが浮かびそうなハウス栽培も、もちろん畑なのです。

しかし、現代では、工場で作られた野菜がスーパーなどでも多く売られています。この記事では、工場で育つ野菜たちの紹介やその特徴について、ヤサイラボがお伝えします!

工場生まれの野菜といえば!肥料が不要で栄養価が高い優秀なスプラウトたち

工場出身野菜の代表選手は、もやし、かいわれ大根、豆苗などのスプラウト類です。スプラウトとは、発芽野菜のことで、発芽した直後の植物の新芽を指します。

スプラウトの歴史は古く、もやしは中国では5000年前から栽培されており、かいわれ大根は平安時代に日本で食べられていた記録があります。

スプラウトの製造時に必要なものは水だけで、肥料も農薬も使用する必要が無いという特徴があります。

豆や種子は、動物でいうと卵と一緒で、生命が誕生するのに必要な栄養を全て有しており、高栄養価です。しかし、発芽すると、乾燥した豆や種子の状態では存在しなかった種類のビタミンや、たんぱく質などの栄養成分を合成するようになります。
そのため、豆や種子とはまた異なる種類の栄養素を豊富に含む野菜として、利用価値が高いのです!



例えば、ブロッコリースプラウトに含まれているスルフォラファンが、肝機能に良い影響を与えるということで、機能性表示食品としても届出されています。このスルフォラファンが含まれる量は、ブロッコリー種子やブロッコリーそのものよりも、スプラウトの方が多いのです。

実は、店頭に並ぶきのこのほとんどは人工栽培!工場でのきのこの栽培方法

きのこ類も、工場出身野菜の一大グループを形成しています。

きのこには天然物もありますが、松茸のように人工栽培ができないきのこを除いて、スーパー等で売っているきのこは、殆どが人工栽培で作られています


きのこの栽培方法としては、主に次の3種類があります。

1 :原木栽培
枯れ木や伐採した木に種菌を植え付けて、きのこを育てる

2:菌床栽培
おが粉に米ぬかやふすまなどの栄養材を加え、水と混ぜ合わせて成形した培地に菌を植え付けてきのこを育てる

3:堆肥栽培
堆肥(わら、もみがら、樹皮、動物の排せつ物などを発酵させたもの)などに種菌を植え付けてきのこを育てる

このうち、工場での栽培方法は菌床栽培、堆肥栽培です。
えのきたけ、しめじ、まいたけ、エリンギ等のきのこは菌床栽培、マッシュルームは堆肥栽培にて製造されます。

持続可能性を求めて!植物工場で製造される野菜たち

最後にご紹介するのは、近年、技術革新が進み持続可能な生産方法として注目されている植物工場で製造される野菜です。

植物工場での製造に適した野菜は、主にレタスなどの葉物野菜です。
土を使わず水耕栽培のみで育て、温度と湿度は空調設備で最適状態に調整します。スプラウトと異なり、生育に必要な肥料が必要ですし、光源としてはLEDライトか太陽光を採り入れて、光合成を促進します。


植物工場の利点としては、天候や自然災害などに左右されずに安定的に生産できる点、病害虫や伝染病のリスクを大幅に減らすことが出来る点、肥料や農薬の使用量を減らすことが出来る点、大規模な農地が必要無く、都会での製造も可能な点が挙げられます。

2021年度の国内における植物工場のレタス類の市場規模は、工場野菜生産者出荷金額ベースで223億円となっており、今後もしばらく増加することが見込まれています。

このように工場で作られた野菜は、既に私たちの食生活の一部を担っているんですね。店頭で見かけたら、どこで育ったのかな、と思いを馳せつつたくさん野菜を食べていきたいですね!

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