「食欲の秋」というのはなぜ?秋が旬の野菜を楽しもう!

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9月は、まだまだ暑い日が続きますが、朝晩の風に少しずつ秋の気配を感じるようになる時期です。

秋といえば「食欲の秋」ですね!
毎年、美味しい食べ物がたくさん登場するこの季節を、心待ちにしている方も多いのではないでしょうか。

でも、どうして秋になると、あれもこれも食べたくなってしまうのでしょうか?
実は、私たちの体と秋に旬を迎える野菜たちの間には、深いつながりがあるのです。

野菜科学研究会のこちらの記事では、「食欲の秋」と呼ばれる理由と秋が旬の美味しい野菜についてご紹介します。

秋になると食欲が湧くのは、なぜ?

秋に食欲が増すのには、主に2つの理由があるといわれています。

  1. 秋の野菜は栄養満点で美味しいから

    秋に旬を迎える多くの野菜は、気温が高い夏の間を成長期として過ごします。

    真夏の太陽の日差しをたっぷり浴びて光合成を行うことで、多くの栄養を作り出しているのです!

    さらに、この後の寒い冬を越すために、植物たちは栄養をたっぷりと蓄えようとします。そのため、秋の野菜は栄養価が高く、旨みや甘みが凝縮されてとっても美味しくなるのです!

  2. 人間の体も冬支度を始めるから

    もう一つの理由は、私たち人間の体の変化にあります。

    夏の厳しい暑さが和らぎ過ごしやすい気候になると、夏バテ気味だった体も元気を取り戻し、自然と食欲が湧いてきます。

    また、動物が冬眠に備えるように、私たちの体もこれから来る冬の寒さに負けないよう、エネルギーを蓄えようとする本能が働くのです。

このように、美味しい旬の食材がたくさん登場することと、私たちの体がエネルギーを欲することが重なり、「食欲の秋」といわれるようになったようです。

秋に食べたい、旬の絶品野菜を知ろう!

秋の食卓を豊かに彩ってくれる、旬の野菜とその特徴をご紹介します!

根菜類

にんじん、ごぼう、さつまいもなど多くの根菜類が、秋に旬を迎えます。

夏の間に葉や茎で作り出した栄養を、冬の寒さに備えて土の中の根に貯蔵するため、甘みや旨みが凝縮された最も美味しい状態になるのです。

根菜に多く含まれる食物繊維は、お腹の調子を整えてくれる、体にとても嬉しい成分です。

じゃがいも

じゃがいもの主な産地である北海道では、9月頃に収穫のピークを迎えます。

さつまいもと同じように土の中にできるので、根菜の仲間だと思われがちですが、実はじゃがいもは根菜ではありません!

じゃがいもは、植物の茎が土の中で大きく膨らんだ部分で、専門的には「塊茎(かいけい)」と呼ばれます。根ではなく茎だったなんて、驚きですよね。

「男爵」や「メークイン」など、じゃがいもにはたくさんの品種があり、それぞれ味や食感が違います。料理に合わせて使い分けるのも、楽しいですよ!

品種ごとの詳しい特徴やおすすめの食べ方については、野菜科学研究会がまとめたこちらの記事もぜひご覧ください。

きのこ

きのこは、分類上は野菜とされないこともありますが、食物繊維、エネルギー作りを助けるビタミンB群、カルシウムの吸収を助けるビタミンDなど、栄養素がとっても豊富です。

しめじ、舞茸、松茸などのきのこは、

  • 涼しくて過ごしやすい気温
  • きのこの成長に欠かせない適度な水分
  • 栄養をたっぷり蓄えた森の木々

という好条件がそろう秋に、一斉に旬を迎えます。

特に、きのこの中には、木と助け合って生きる「菌根菌(きんこんきん)」という種類が多くあります。

例えば、松茸は、アカマツの木の根と共生し、木が光合成で作った栄養をもらって成長します。木々が夏に蓄えた栄養が、秋にきのこを発生させる大きな力になっていると考えられているのです。

きのこの不思議な生態や魅力をもっと知りたい方は、こちらの記事もチェックしてみてくださいね!

野菜の定義

旬を知れば、秋の食卓はもっと楽しくなる!

「食欲の秋」という言葉には、旬を迎える野菜の成長の仕組みが深く関わっていました。

秋には、収穫体験などのイベントもたくさん開催されます。

この秋は、ぜひお近くで旬の恵みに触れて、美味しい秋の味覚を存分に味わってみてはいかがでしょうか!

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