
古くて新しい野菜!? 「ケール」の魅力に迫る!
「ケールって、栄養はあるけど苦くて美味しくないよね」
「生では食べられないほど苦くて青汁に入ってる野菜でしょ?」
ケールに対して、そんなふうに思っている人は多いかもしれません。
1990年代に流行った青汁のCM「まずーい、もう一杯!」という印象的なセリフの影響のせいか、ケールは栄養価は高いが、苦くて美味しくない野菜というイメージが浸透しているようです。
でも、ケールは、本当はすごい野菜なのを知っていますか?
こちらのコラムでは、ケールの歴史や特徴について紹介します!

ケールは、青汁の原料として認知度が高まったため、比較的新しい野菜と思われているかもしれません。
しかし、ケールの歴史は古く、約4500年前まで遡るといわれています。
今日に至るまで、世界各国で食べられているのです。
ケールの原産地は、地中海沿岸です。
キャベツの元になった植物に近い仲間で、「アブラナ科アブラナ属」というグループに属します。ブロッコリーや葉牡丹、キャベツなども、元はケールから生まれた野菜です。
長い年月をかけて様々な品種へと進化し、世界各地で栽培されてきました。
日本には、江戸時代にオランダの船によって伝わったそうです。
しかし、最初は食べるためではなく、見た目の美しさを楽しむ「観賞用」として育てられていました。特に、葉がちぢれて、キャベツのように丸まらないケールは「羽衣甘藍(はごろもかんらん)」という美しい名前で呼ばれていたそうです。
「甘藍」とは、キャベツの昔の呼び方です。
ケールの魅力は、何といっても栄養価の高さです!
ケールには、「β-カロテン」という成分が、ブロッコリーより多く含まれています。
「β-カロテン」は、野菜の中でも特に体に良く、緑黄色野菜に入るかどうかを決める重要な栄養素です。
さらに、カルシウムや食物繊維、ビタミンCも豊富で、体にうれしい栄養が詰まっています。

日本では、ケールは「青汁に入っている野菜」というイメージが強いですが、海外では一般的な野菜としてよく食べられています。
アメリカでは、2010年頃からセレブが愛用する「スーパーフード」として大人気になりました。サラダやスムージー、炒め物など、様々な料理に使われています。
ヨーロッパやアフリカでも、煮込み料理やスープの具として親しまれており、とても身近な野菜なのです。
最近では、苦みが少なく、生でもおいしく食べられるケールも開発されています。
また、ケールは涼しい気候を好む一方で夏の暑さにも強いため、今後日本でもたくさん育てられるようになるかもしれません。
近い将来、スーパーの野菜コーナーでケールをよく見かけるようになるかもしれませんね!
栄養満点なケールを、ぜひ毎日の食卓に取り入れてみませんか?
参考文献
1.農畜産業振興機構HP https://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/wadai/2002_wadai.html