
歴史上のあの人物と、身近な果物の意外な関係
私たちが普段食べている果物が、歴史や文化と深い関わりがあることを知っていますか?
果実は、いつの時代も人々の生活に彩りや喜びを与え、私たちの生活を豊かにしてきました。
実は、そんな果実たちは歴史上の偉人たちと興味深いつながりを持っているのです!
野菜科学研究会のこちらのコラムでは、歴史上の人物と果実との関係を紹介します。
「落ちるりんご」にひらめいた! ニュートンと引力の物語

科学史に名を残す偉人、アイザック・ニュートンと「りんご」の逸話は、誰もが一度は聞いたことがある有名なエピソードです。
ある日、ニュートンは木からりんごが落ちるのを見て「なぜりんごは下に落ちるのか?」と疑問を抱きました。
この問いが、後に「万有引力の法則」という歴史的な大発見につながったといわれています。
真偽はともかく、一つの果実が世界の捉え方を変えるほどの偉大な発見の象徴となったことは、間違いありません。
すいかに塩は、千利休が始まり?!

室町時代から安土桃山時代に活躍した茶人 千利休が「すいかに塩をかけた始まり」といわれているのを知っていますか?
彼は、豊臣秀吉に仕えて茶道を極める一方、美食家でもありました。
ある時、貴重なすいかに砂糖をかけて出された利休は、砂糖のかかっていない部分のみを食べました。
利休は、すいか本来の甘味に砂糖をかけることを「もってのほか」とし、「少量の塩の方が甘さは引き立つ」と考えたのです。
この逸話は、素材の味を活かす日本料理の「引き算」の美学や、利休の鋭い味覚、自然の味を尊ぶ姿勢を示しています。
大隈重信は、政治家だけじゃない!園芸家としての顔もあった

早稲田大学創設者・大隈重信は、政治家としてだけでなく、果樹園芸にも深い知識がありました。
大隈の邸宅の温室では、高級マスクメロンを栽培していたのです。さらに、1919年には日本初の品評会を、自身の邸宅で開催しました。
「早稲田」と名付けられた彼の栽培した品種は見事一等に輝き、マスクメロンの普及に大きく貢献したのです。
果物専門店である「新宿高野」は、この高級果実であるマスクメロンの販売に注力し、お店や事業が大きく発展していく土台を作りました。
私たちが何気なく食べている果物には、語り継がれるべき物語や、意外な人物との繋がりが秘められているのです。
果物は単なる食料ではなく、科学的発見の象徴や文化的感性の表現、情熱や商いの源泉ともなりうる存在です。
皆さんもぜひ、果物の歴史に注目してみてください!