垂直農法

「垂直農法」が、食卓から野菜が消えるピンチを救う?!

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近年、温暖化や緑地の減少をはじめとする、さまざまな環境問題が起きています。
このままだと、近い将来、野菜が食べられなくなる可能性も考えられています。
そんな野菜不足のピンチを救う方法として、今「垂直農法」が注目されています!

「垂直農法」とは、専用施設などで、垂直に重ねた棚を使って作物を栽培する方法であり、限られたスペースの中で、より多くの作物を作ることができます。
そのため、都市部や農地の少ない地域でも効率的に食料生産が可能になります

その手法としては、主に、水耕栽培、空気栽培、アクアポニックスがあります。

「アクアポニックス」 は、 魚の養殖と水耕栽培を組み合わせた、環境に優しい農法です。
野菜科学研究会では、アクアポニックスの日本の草分けである浜田 健吾さんを紹介しています。ぜひご覧ください!

研究者 技術革新

日本における垂直農業の技術革新

垂直農法はアメリカで進んでいる農法ですが、日本でも技術革新が進んでいます。
株式会社プランテックスは世界初の完全閉鎖型植物工場を開発し、従来の農場と比べて、生産効率を5倍に向上させています。

また、2024年12月には、米国の企業Square Rootsが日本市場へ進出。
米国での実績を生かしたAIとセンサー技術を活用した環境制御システムを導入し、都市部での持続可能な食料生産推進を計画しています。

また、垂直農法で栽培される作物は、食料安全保障上のメリットのほかに、作物の生物学的な利点を引き出すことも可能です。

世界のあらゆる気候地域の太陽光を、作物が必要とする量、スペクトル、幾何学的分布に変換し、収穫量だけでなく、作物の栄養価を高めるようは素材の研究が進められています。

適切な光環境にすることで、収穫量だけでなく作物の栄養価を高める効果が見込むことができるため、野菜不足を解決するというメリットだけでなく、野菜の栄養価を上げることも期待されているのです。

自然エネルギー 太陽エネルギー

垂直農法の今後の課題

垂直農法は、自然エネルギーが活用できていない点や初期投資のコスト面など、克服すべき課題が多いのが現状です。

しかし、化石燃料を燃やさずに、空気の中にある熱エネルギーを集めて使う「ヒートポンプ技術」など、環境負荷の少ない技術開発も同時に進められています

垂直農法によって農業のあり方や食料安全保障の未来も大きく変わるかもしれません。
野菜科学研究会では、引き続き垂直農法に注目していきます!

参考
1)株式会社 NTTデータ経営研究所:令和4年度 農林⽔産省 農林⽔産技術会議事務局 研究開発動向等調査委託事業 報告書 https://www.affrc.maff.go.jp/docs/innovate/attach/pdf/R4_seika.pdf 

2)内閣府:令和5年度採択 R5-37 BRIDGE施策 食料安全保障に資する完全閉鎖型植物工場の実現に向けた調査研究 戦略及び計画(PDF形式:1447KB)https://www8.cao.go.jp/cstp/bridge/keikaku/37_bridge.pdf

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