誰かと一緒に食事をする「共食」は、野菜の摂取量にも影響する!
「共食」とは、「誰かと一緒に食事をすること」を指します。
「誰か」には、家族全員、家族の一部(親など)、友人、親戚などが含まれます。
人と一緒に食事を摂ることは、私たちが思っている以上にさまざまな恩恵をもたらしてくれているようです。
この記事では、食育の一環としての「共食」について、研究結果を元に考えていきます。
「共食」にまつわる研究結果から、私たちの生活への影響をひもとく
人と一緒に食事をすることは、下記の4点に影響を与えていると言われています。
- 自分が健康だと感じていること
- 健康や食生活
- 規則正しい食生活
- 生活リズム
人と一緒に食事を摂る機会が多い人と、そうでない人=孤食が多い人とを比較した、以下のような研究報告があります。
「共食」が多い人には、次のような特徴があるようです。
1.自分が健康だと感じていること
- 小学生:朝の疲労感や体の不調がなく、健康に関する自己評価が高い。
- 中学生:心の健康状態が良い。
- 成人や高齢者:ストレスがなかったり、自分が健康だと感じている。
それに対し、孤食が多い高齢者は、うつ傾向の人が多いことも報告されています。
2.健康や食生活
- 乳幼児~小学生:主食・主菜・副菜をそろえてバランスよく食べている。
- 中学生や高齢者:多様な食品を食べている。
「共食」が多い人は、野菜や果物といった健康的な食品の摂取が多く、インスタント食品やファーストフード、清涼飲料水の摂取が少ないといった研究結果もあります。
3.規則正しい食生活
- 乳幼児:食事や間食の時間が規則正しい。
- 小学生~高齢者:朝食の欠食が少ない。
確かに、一人暮らしなどをしていると、どうしても時間が不規則になったり、ついつい朝食を抜いてしまったりすることも。人と一緒に食事をすることは、こんなところにも影響を与えているのですね。
4.生活リズムと関係
「共食」が多い人は、起床時間や就寝時間が早いという結果が出ています。小学生を対象とした研究では、睡眠時間が長いことも報告されています。
現代人は、慢性的な睡眠不足の傾向がある人が多いと言われていますが、「共食」することで、生活リズムも整うのですね!
誰かと一緒に食事を摂ることが、こんなにも私たちの生活に良い影響を与えているのですね。人の寿命が伸び、人生100年時代と言われていますが、健康でいられる期間をいかに長く保てるかが重要です。
共食を意識して、健康的な食生活を心掛けましょう!
【参考】
農林水産省HP 「食育」ってどんないいことがあるの?~エビデンス(根拠)に基づいてわかったこと~統合版(令和元年10月)