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ゲノム編集による野菜の開発

ここまで来た!ゲノム編集による野菜の開発

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「ゲノム編集」は、生命科学の世界に大きな進化をもたらしている技術です。

ゲノム編集により生み出された成果としては、コロナワクチンなどが実用化されています。
さらに、ゲノム編集野菜の研究も盛んに行われており、我々の食卓に普通に上るようになる日も近づいています。
実際に、日本でもすでにゲノム編集で栄養強化したトマトが販売されています。

今回紹介する文献は、野菜の中でもアブラナ科アブラナ属に絞って最新のゲノム編集の研究成果をまとめたものです。
アブラナ属の野菜は、栄養価が高く、油糧種子(菜種など)としても世界的に重要な位置を占めています。

アブラナ属における CRISPR/Cas 技術の応用としては、以下に示します。

①キャベツ 

CRISPR/Cas9 アプリケーションを応用した形質の改善、メチオニン由来のグルコシノレートの蓄積の減少、ワックス含有量を大幅に減少させ鮮やかな緑色の葉を生成させる、などの成果が報告されています。

②はくさい

CRISPR/Cas9技術により、早期に開花するはくさいの開発に成功しており、分子育種にも使用できることが示されました。

③菜種

CRISPR/Cas9 技術を使用することで、種子数や種子重量が大幅に増加した菜種が得られました。また、栄養成分に関しては、脂質量とたんぱく質量を増加させたり、別の研究では脂肪酸組成を変化させてオレイン酸含量を高める事に成功しています。更に耐病性を高めた品種の開発も報告されています。

このように、ゲノム編集技術は、アブラナ属をはじめとする様々な作物の改良研究と育種に革命​​をもたらしています。
ゲノム編集は、種の境界を超えて遺伝子を導入する遺伝子組み換え技術と異なり、内因性遺伝子を変更するだけであるため、得られた作物は極めて安全性が高いと考えられており、今後の発展・普及が期待されます。

Jun Li et al.,The application of CRISPR/Cas technologies to Brassica crops: current progress and future perspectives,aBIOTECH ,2022,3:146–161

https://doi.org/10.1007/s42994-022-00076-3

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