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ネギ類の摂取と胃がん発症リスクの関連:ランダム化介入試験の追跡調査

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にんにくやねぎ、たまねぎなどは、独特な香りが強く、さまざまな料理で重宝されています。

これらの野菜はアリウム属に分類されており、抗菌、抗酸化、免疫調整特性をもつ「有機硫黄化合物」を豊富に含んでいます。

こちらの学術記事では、「アリウム属野菜の摂取と胃がんリスクの関連に関するランダム介入試験の継続的追跡調査」という研究を紹介します。

この研究は、中国の胃がん高リスク地域である山東省で行われたランダム化プラセボ対照因子設計試験に基づくものです。平均年齢47歳の男女3,229名を対象に、22年間の追跡調査が行われました。

調査の結果、追跡期間中に胃がんの発症例が 144 件確認されています。
アリウム属野菜の中でも、にんにくの摂取は、胃がん発症リスクの低下と関連していました。 (P=0.02、OR: 0.83、95% CI: 0.70、0.98、1 kg/年増加あたり)

一方、ネギの摂取では関連が見られませんでした。 (P=0.80)

調査の結果から、にんにくの食事摂取量の増加に比例して、胃がん発症リスクが大幅に減少することが分かります

これまで、にんにく類の野菜の摂取と胃がん発症リスクの関連が示されていましたが、前向きな研究はほとんどありませんでした。この結果は、肉類の野菜の摂取と胃がん発症リスクの潜在的な逆相関に関する研究に新たな知見を加えるものとなっています。

みなさんも、料理の際にはにんにくを積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか。

【引用文献】
Su XQ et al., Allium vegetable intake associated with the risk of incident gastric cancer: a continuous follow-up study of a randomized intervention trial. Am J Clin Nutr. 2023 Jan;117(1):22-32.

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