代替たんぱく質源としての植物分析
近年、注目を集めている「プラントベースフード」。
動物性原材料ではなく、植物由来の原材料を使用した食品のことです。
プラントベースフードの誕生には、環境問題への意識の高まりが大きく影響しています。
畜産業には、温室効果ガスの排出や森林伐採、水資源の消費などの問題があり、地球環境に大きな負荷をかけていると考えられています。
プラントベースフードは、こうした環境問題を解決するための代替食として注目されています。
こちらの学術記事では、プラントベースフード用の代替たんぱく質源について分析し、そのでんぷん、たんぱく質のプロファイルを纏めた文献を紹介します。
たんぱく質源としての植物粉の使用は、そのたんぱく質高含有(≥15%)と非たんぱく質成分(主に脂質、繊維、でんぷん)に基づいて、革新的で手頃な価格の健康的な食品を生産するための実行可能な代替手段となりえます。
この研究では、ひよこ豆、レンズ豆、赤レンズ豆、白インゲン豆、キヌア、アマランサス、オート麦の粉について、でんぷんプロファイル、たんぱく質プロファイル及び技術的機能特性との関連性の確立のため詳細な調査を実施しました。
でんぷん含量は、最も低い白豆で31.3%、最も高いアマランサスとオート麦で56.8%。アミロペクチン含有量(64.8~82.8%)は、7種の野菜粉全てでアミロース(17.3~35.2%)よりも高い結果になりました。また、たんぱく質プロファイルと機能特性との関連では、豆類粉は、総たんぱく質の少なくとも45% をビシリンが占めるという特徴があり、顕著な乳化、発泡、ゲル化能力を与えました。
ビシリンの少ないキヌア (総たんぱく質の20%) と、ビシリンを含まないアマランサスとオート麦の粉は、総たんぱく質の少なくとも 48%を占める高レグミン含有量によってのみ提供される良好な油保持能力を示しました。また、豆類のでんぷん含量は47%未満であるのに対して、非豆類・小麦粉に含まれる高いデンプン含量(53%以上)は、主に高い保水性、凍結融解安定性、およびペーストの高粘度に寄与していることが分かりました。
Celia Badia-Olmos et al.,A comparative study of vegetable flours as alternative protein sources of interest for food industry, LWT, Volume 204, 15 July 2024, 116414