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ドローンによる収穫データ予測は農場での食品ロスを削減し、農家の収入を向上できる

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現在、食品ロスを減らすためのフィールド研究がすすめられています。
ドローンとAIを使って畑全個体のサイズを自動計測し、最適な収穫日を推定することで規格外野菜を減らします。

有機農法やICT技術を用いた持続可能な農業への関心は高まっているものの、日本全体の野菜作付面積における持続可能な方法での栽培は1%未満にとどまっています。

持続可能な農業システムにおいて、規格外野菜のような農場での食品ロスは難しい課題です。
規格外野菜の数を減らす最も簡単な方法は、野菜畑のすべての個体のサイズを監視および予測し、規格外数が最小で利益が最大となる最適な収穫日を決定することです。しかし、従来の方法では費用対効果が高くありません。

そこで、ドローンリモートセンシングと画像分析を使用して、すべてのブロッコリーの頭のサイズ(n > 3,000)を、自動的かつ非破壊的に正確に推定および予測する完全なパイプラインを開発しました。
個々のサイズが温度ベースの成長モデルに入力され、最適な収穫日が予測されます。

2年間のフィールド実験の結果、パイプラインはすべてのブロッコリーの頭のサイズを高い精度で推定および予測することができました。また、最適日からわずか1〜2日のずれでも規格外が大幅に増加し、農家の利益が減少する可能性があることも分かりました。これは、作物の経済的な最適化と食品ロスの最小化に対するアプローチの有用性を、明確に実証しています。

このシステムの枠組みは、キャベツや白菜など、さまざまな露地野菜に応用できる可能性があります。
そして圃場の全個体の植物を時系列で測定するという技術は、農学・植物学・生態学の様々な研究分野で有効です。

今後、このシステムを発展・実装させることで、環境負荷を低減させつつ生産性を向上させる持続的な農業や植物科学・生態学を加速させることが期待されます。

【引用文献】
1.Wang H, Li T, Nishida E, Kato Y, Fukano Y, Guo W. Drone-Based Harvest Data Prediction Can Reduce On-Farm Food Loss and Improve Farmer Income. Plant Phenomics. 2023 Sep 7;5:0086. doi: 10.34133/plantphenomics.0086. PMID: 37692103; PMCID: PMC10484300.

2.ドローンとAIで規格外野菜を減らす―畑全個体のサイズを自動計測し、最適な収穫日を推定―東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部https://www.a.u-tokyo.ac.jp/topics/topics_20230908-1.html

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