乳児環境要因のクラスターが日本の学齢期の子供の野菜の好みに影響を与える
家庭で、子どもが野菜を食べるのを嫌がることがよくありますよね。
でも、なぜ子どもは野菜が好きだったり嫌いだったりするのでしょうか?
小さいころに経験をしたことが、大人になってからの野菜の好き嫌いに影響を与えるのでは、という観点で研究が行われました。
こちらの記事では、幼児期の環境要因と学齢期の子どもの野菜嗜好の関連性を調査した研究を紹介します。
研究では、58項目から構成される幼児期の環境因子に関する因子分析などの手法を用い、野菜の摂取、調理や収穫の経験、親の態度といった12の幼児期の環境要因に関わる因子を特定しました。
さらに、その因子を「意識が高い」、「意識が低い」、「積極的な励ましが低い」に分類し、野菜嗜好との関連性を評価しました。その結果、小さいころに多様な野菜の経験をすると、大人になってから野菜が好きになる可能性が高いことがわかりました。
特に「意識が高い」グループの子どもたちは「意識が低い」グループに比べて、野菜の好みのスコアが有意に高いことが確認されています。この結果から、幼児期の積極的な食育は、長期的な食の好みに与える影響が大きいことが示されました。
この研究は、幼児期の環境要因が組み合わさって、子どもの野菜の好みに影響を与えることを示しています。
野菜を好きになるためには、小さいころから野菜に触れ合う機会を多く持つことがとても重要だということがわかります。
家族みんなで野菜を使った料理を作ったり、野菜を育てたりすることで、子どもたちが野菜を楽しむきっかけになるかもしれません。
引用文献
Yonezawa Y et al., Clusters in Infant Environmental Factors Influence School-Age Children’s Vegetable Preferences in Japan. Nutrients 2024, 16(7), 1080.