果物と野菜の消費を増やすために学校で健康食品を宣伝するテクニック
最近では、テレビ、インターネット、ソーシャルメディアなどを介した広告が溢れています。
そして、その影響を受けるのは大人だけではありません。
平均的なアメリカ人の子どもは、年間約 40,000 件の食品・飲料のコマーシャルにさらされているといわれています。そのうちの 70% は、ファストフード、シリアル、キャンディーなど、すべてHSFS(高塩分・高脂肪分・高糖分な食品)に関するもの。
子どもたちは、不健康な食品のマーケティングの影響を受けやすいと考えられているのです。
例えば、子どもたちに対して広告への露出が増えると、彼らの摂取カロリーが大幅に増加したり、消費される食品が市販されている食品の種類を反映したりする可能性が高くなります。
こちらの記事で紹介する論文では、学校で健康的な食品を宣伝することで、子供たちの食習慣を改善できるかどうかを取り上げています。
アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダで行われた研究をレビューしています。
介入で用いられたのは、ポスターやバナー掲示、ビデオ (テレビ番組とコマーシャル)、および教室での教育 (食品広告の操作テクニックと、野菜や果物の健康上の利点についての講義)などです。
その結果、レビューされた8つのすべての研究で、マーケティング介入と、野菜と果物の消費または嗜好との間に正の相関関係があることが分かりました。学校の環境で健康的な食品を宣伝することは、子どもたちの食習慣を改善する効果的な方法といえそうです。
しかし、すべての子どもたちに効果があるわけではないため、さらなる研究や取り組みが必要になってくるでしょう。
【参考文献】
Oke S, Tan M. Techniques for Advertising Healthy Food in School Settings to Increase Fruit and Vegetable Consumption. Inquiry. 2022 Jan-Dec;59:469580221100165. doi: 10.1177/00469580221100165.