果物と野菜の摂取が喘息、喘鳴、および免疫反応のリスクに与える影響
喘息は、気道の狭窄(きょうさく)、炎症、気管支過敏性を特徴とする慢性的な肺疾患であり、世界的な公衆衛生上の問題となっています。
世界では、約2億6,200万人が喘息に罹患しています。日本でも、約1,000万人の喘息患者がいるといわれています。
喘息の増加は、食生活の変化が原因と考えられており、その中でも特に抗酸化物質の不足が関連している可能性があります。
野菜科学研究会では、抗酸化物質を多く含む果物と野菜の摂取が、喘息のリスクや免疫反応に及ぼす影響をレビューした文献を紹介します。
こちらの論文では、果物と野菜摂取と喘息症状に関する58件の横断研究、コホート研究、ケースコントロール研究、実験研究をレビューしています。
レビューされた研究の多くは、果物や野菜の摂取が喘息や呼吸機能に対して有益な影響を持つと報告しています。
成人と子供におけるメタ分析では、果物の摂取が喘鳴や喘息の重症度のリスクと逆相関が見られました。また、野菜の摂取も喘息のリスクと逆相関が認められました。
免疫反応に関しては、6件の研究が果物や野菜の摂取が、全身または気道の炎症に対する保護効果を示しています。
これらのことから、果物と野菜の摂取は喘息に対して保護的な効果を持つ可能性があることが分かります。また、多くの研究がこの関連を支持しており、特に果物の摂取が喘鳴や喘息のリスクを低減することが示されています。
【参考文献】
Hosseini, B., Berthon, B., Wark, P., & Wood, L. (2017). Effects of Fruit and Vegetable Consumption on Risk of Asthma, Wheezing and Immune Responses: A Systematic Review and Meta-Analysis. Nutrients, 9. https://doi.org/10.3390/nu9040341.