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日本の中年女性労働者における野菜や菓子類の摂取量と睡眠の質について

日本の中年女性労働者における野菜や菓子類の摂取量と睡眠の質について

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日本人は、諸外国に比べて睡眠の質が低く、睡眠時間が短いといわれています。

食生活は、睡眠の質に影響を与える重要な因子です。
これまで、朝食欠食や間食、野菜の摂取量が少ないことは睡眠不足につながることが報告されています。

今回紹介する論文は、食品の摂取頻度と睡眠の質の関連について調べた研究になります。

食習慣と健康に関する 女性3世代研究のデータを使用し「現在就労している」と回答した34~65歳の母親世代 3129 名の食習慣(自記式食事歴 法質問票( self-administered diet history questionnaire:DHQ)および睡眠の質(ピッツバーグ睡眠質問票(Pittsburgh Sleep Quality Index: PSQI)の関連を調べました。※1

その結果、それぞれと睡眠質の悪さの関係が分かりました。

食品摂取量に関しては、結果に影響を及ぼす可能性がある交絡因子(年齢、BMI,運動量、うつスコア、 勤務形態、アルコール摂取量、喫煙状況)を調整した上でも、野菜摂取量の少なさ( p=0.002)、魚類摂取量の少なさ(p=0.04)、菓子類摂取量の多さ( p=0.004)、麺類摂取量の多さ(p=0.03)との関連が認められました。

食習慣に関しては、睡眠の質が悪いほど、有意にエナジードリンクや清涼飲料の摂取、朝食欠食、間食といった習慣との関連が認められました。また、睡眠の質の悪さは炭水化物の摂取の多さとの関連も認められました(p=0.03) 

■ 考察
本研究は、横断研究であるため因果の方向性は判断できない点に注意が必要です。
しかし、 睡眠時間と食事の関連を検討したこれまでの先行文献と類似して、日本の中年女性労働者においても、 野菜や菓子の摂取量、朝食欠食や間食といった食習慣と睡眠の質は関連を認められました。

■ 参考
睡眠の調整を助ける働きがある「プロゲステロン」という女性ホルモンは、更年期や閉経によって量が減少すると、睡眠不足をもたらすといわれています。また中年女性は、子どもやほかの家族の世話をすることが多く、十分な睡眠をとりにくいとも言われています。

日々の生活が忙しいと、家族を優先して、自分は二の次とおろそかになってしまいがちですが、生きていくうえで最も大切なことは、「何はなくとも健康第一」ではないでしょうか。

また、日本人の睡眠不足については、厚生労働省が心身の健康づくりのための新たな「睡眠指針2023」(仮称)案を2023年10月に公表しています。この指針は、2014年に設けた「健康づくりのための睡眠指針2014」を最新の科学的知見を基に改訂した内容になっており、「睡眠により休養がとれた感覚」(睡眠休養感)を確保するための各世代ごとの対策を図る内容となっています。

https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/download_pdf/2022/202209018A.pdf

参考文献:Katagiri R,Asakura K,Kobayashi S,Suga H,Sasaki S, and the Three-generation Study of Women on Diets and Health Study Group. Low intake of vegetables, high intake of confectionary, and unhealthy eating habits are associated with poor sleep quality among middle-aged female Japanese workers. J Occup Health. 2014; 56(5):359-68

※1)北海道から九州までほぼ全国にわたる35都道府県の栄養関連学科85施設の参加を得て、その施設の新入生ならびにその母および祖母およそ7000人ずつを対象に、食習慣と健康状態を尋ねる質問票調査を実施した研究データ

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