お菓子にも、第3のビールにもなる! 万能な野菜「えんどう」
ビタミン類や食物繊維を豊富に含むマメ科の野菜、えんどう。
えんどうはさまざまな品種があり、成長過程や食べ方によって名前が変わります。
さやえんどう、スナップえんどう、グリーンピース、豆苗など、実は、これらはすべてえんどうの品種なのです。それぞれに合った調理法で美味しくいただくことができます。
野菜科学研究会では、いくつもの顔を持つ万能な野菜「えんどう」についてご紹介します!
「豆苗」は、えんどうの若い葉と甘い茎だった!
近年、急速に普及している豆苗。豆苗は、えんどうの若い葉と茎にあたる部分です。
豆苗の歴史を振り返ってみると、最初に食べ始めたのは中国です。
当時は、希少な野菜として知られており、一部の高貴な人や特別な行事でしか食べることができなかったのだそうです。中国では、蔓の先の柔らかい茎葉も一緒にして利用されています。
1990年代半ばになって、日本でも生産が始まりました。天候に左右されることなく、リーズナブルな野菜として食卓に並ぶように! 再収穫の楽しさも、豆苗が人気な理由の一つです。
えんどうの食べられるさや、「さやえんどう」
えんどうは、豆の仲間では珍しくさやごと食べることができます。
未熟なさやの部分を、さやえんどうとして利用します。緑黄色野菜で、栄養価も高く、食物繊維が豊富なのです。
豆の部分には、必須アミノ酸のリジンが含まれています。リジンは、体の成長や修復を助けてくれ、集中力を向上してくれる役割があるのです!
さやえんどうの調理方法はとても簡単です。
ヘタの部分を手で折って、そのまま引いて筋をとります。さっと茹でるだけで、食卓に美しい彩りを与えてくれます。
一方、成長した乾燥前の生の豆は、世界中でも広く利用されているグリーンピース。そして、さやえんどうとグリーンピースの特徴を併せ持つのが、スナップえんどうです。
完熟直前まで実を大きくしつつも、さやもさやえんどうのように柔らかいため、おいしく食べることが出来ます。
えんどうは、甘味としても使われる!
完熟した実を乾燥させたえんどう豆は、「みつまめ」として食べられたり、鶯あんに加工されたりと、昔から日本で甘味としても使われています。
また、えんどう豆を原料としたスナック菓子にも多くの種類があり、子どものおやつからお酒のつまみまでさまざまなシーンで食べられています。
最近では、えんどう豆のたんぱく質を、麦芽や麦の代わりに使用して作られた第3のビールがヒット商品となりました。
えんどうは少し地味な野菜ではありますが、成長の各過程でどの部位も余すことなく食べられ、いろいろな姿に加工される万能野菜と言えそうです!