親子 野菜

子どもが野菜を好きになる食育とは

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子どもが野菜を嫌いになる理由には、苦みや渋みなどの味や硬い食感、種や繊維が多いことなどがあります。また、誰でも一度嫌な経験をすると、それ以降そのものを避ける傾向があるようです。

つまり、一度野菜に対して嫌な経験をしたことがある子どもは、野菜を食べる機会が減り、野菜を嫌いになる可能性が高まります。

そこで今回は、科学的な文献をもとに、子どもが野菜を好きになるための興味深いアプローチを2つ紹介します。

最初の離乳食に野菜を! 」乳幼児期の“ベジタブルファースト”アプローチ

乳幼児を対象に、ニュージーランドで行われた研究を紹介します。※1

生後4~6か月の離乳食を食べた経験がない乳児117人を2つのグループに分け「野菜のみの離乳食」または「果物と野菜の離乳食」を4週間摂取させました。

その後、生後9か月になった乳児にはブロッコリー、ほうれん草、梨を含む3種類の食事を与え、それぞれの食事の摂取量を調べました。

その結果「野菜のみの離乳食」を与えたグループは、対照グループよりも多くの野菜を摂取しました。

果物と野菜の離乳食(対照群)

この研究から、最初の離乳食として野菜を与えることで、乳児期に野菜の好みを発達させることができる可能性があることが分かりました。

一方で、乳幼児期の離乳食として野菜を与えることの効果の長期的な持続性については、まだまだ議論やさらなる研究が必要なようです。※2

感覚に基づいた科学的な食育で、トマトを好きになろう!

続いては、ポルトガルの小学校で行われた、食育プログラムの効果を見た研究です。※3

この食育プログラムでは、ビーフトマト、プラムトマト、チェリートマトの3種類のトマトを用いました。

生徒たちは、自分の感覚で味の違いを説明し、さらにその違いを説明するために実験を行いました。

小学3年生の児童136人を、食育プログラム実施する介入群とまたは対照群に無作為に割り付け、介入による野菜の好みの変化を調べました。

その結果、介入群は対照群と比べて、トマトに対する挑戦意欲と好み度合い(1-5の5段階で評価)が増加しました。

食育プログラムの研究

科学教育を通じて野菜品種の多様性を探求することによって、子供たちの野菜に対する受け入れを促進できる可能性が示されました。

野菜を好きになれるきっかけをたくさん提供して、子どもたちにも野菜を楽しんで食べてほしいですね!

【参考文献】

1) Angela De Leon et al., Consumption of Dietary Guidelines for Americans Types and Amounts of Vegetables Increases Mean Subjective Happiness Scale Scores: A Randomized Controlled Trial, Journal of the Academy of Nutrition and Dietetics, Volume 122, Issue 7, 2022, Pages 1355-1362.

2) Rapson JP et. al., Impact of a “vegetables first” approach to complementary feeding on later intake and liking of vegetables in infants: a study protocol for a randomised controlled trial. Trials. 2021 Jul 26;22(1):488.

3)Afonso L, Aboim S, Pessoa P, Sá-Pinto X. The taste of biodiversity: science and sensory education with different varieties of a vegetable to promote acceptance among primary school children. Public Health Nutr. 2021 Jun;24(8):2304-2312.

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