フライパンと野菜

野菜の栄養素の量は、調理方法によって変わる!?

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野菜の栄養素の量は、調理方法によって変化すること、ご存知ですか?

サラダや野菜炒め、天ぷら、漬物、鍋やスープなど、野菜をおいしく食べることのできる料理は、色々あります。
野菜は生でも食べられますし、炒める、煮る、焼くなど、さまざまな調理方法によって火を通すことで味や食感のバリエーションを楽しむことができるのも、野菜の魅力のひとつ。

そして、調理方法によって味や食感だけでなく、野菜の栄養素の量が変化するのです。

この記事では、野菜の調理方法に着目し、栄養面での比較をしてみます。野菜に含まれる栄養素の特徴を知って、日々の調理に活かしていきましょう!

さまざまな特徴を持った栄養素を知ろう!

野菜に含まれる、各種ビタミンやカリウム、マグネシウムなどの栄養素は、水に溶けやすい、熱に弱いなど、それぞれ特徴を持っています。

  • 水に溶けやすい栄養素は、野菜を水にさらしたり茹でたりすることで溶け出る
  • 熱に弱い栄養素は、高温で調理するとその働きを失う
  • 油に溶けやすい栄養素は、油と調理することで吸収が良くなる

このように、栄養素の特徴によっては、ある調理法を行った時に栄養素がある程度失われてしまうことがあります。

それでは、生の場合と比較して調理法によってどのくらいの栄養素が残るのか、次の図を見てみましょう。

栄養素の残存率の違い

キャベツ(100g中の栄養素)

キャベツの調理方法による栄養素の違い

図を見ると、茹でることでビタミンCや葉酸、ビタミンB群などは減ってしまいます。

ビタミンB群は、水溶性ビタミンと呼ばれており、水に溶けやすい性質を持っています。ビタミンB群には、他にも「ビタミンB12、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン」などがあり、全部で8種類です。

なお、野菜スープなどとして食べることで、茹でることで溶け出した栄養素も摂ることができます。

にんじん(100g中の栄養素)

にんじんの調理方法による栄養素の違い

ビタミンCやカリウムなど水溶性の栄養素は、加熱調理することで減っています。しかし、加熱することで吸収が高まる栄養素もあります。

生で食べた方が栄養素が失われなさそうなイメージがありますが、加熱することでのメリットもあります。
茹でることでアクや臭みが取れますし、油で揚げることで揚げ物大好きな子どもが食べやすくなるなどのメリットも。
生ではたくさん食べられない野菜も、火を通すことでカサが減って、特に葉ものなどはたっぷり食べられるようになりますね

温野菜

各栄養素の特徴を知って、野菜の調理に活かそう!

栄養素の区分として、以下のように覚えておくと便利です。

  • 水に溶けやすい栄養素:ビタミンB群、葉酸、ビタミンC、カリウムなど
  • 油に溶けやすい栄養素:ビタミンA、ビタミンE、β-カロテンなど
  • 熱に弱い栄養素:ビタミンB1、ビタミンCなど

日々の食事作りに、栄養素の特徴を意識していくのは大変かもしれませんが、大切なのは、バランスと多様性。

いつも同じ食べ方に偏ってしまうと、摂取できる栄養素も偏ってしまいます。
生、炒める、蒸す、揚げるなど、ぜひ色んな調理方法で、野菜を楽しんでみてくださいね!

【参考文献】

日本食品標準成分表2020年版(八訂)

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