雪の下の野菜

雪の下で育てられる野菜とは? 新潟県の「雪下にんじん」の魅力に迫る

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冬に旬を迎える野菜といえば、白菜、ほうれん草、大根など。
冬野菜の特徴は、寒さで凍ることがないよう細胞に糖を蓄積するため、糖度が高い野菜が多いことです。

ところで、雪の中で野菜を保存している様子を見たことがありますか? なぜ、わざわざ雪の中で野菜を保存するか、ご存じですか?

新潟県の名物、雪下にんじん

「雪下にんじん」は、雪の多い新潟ならではの方法で生産されています。

新潟県魚沼群津南町で3月上旬から4月中旬に収獲されたにんじんで、畑に植えたまま雪の下で冬を越すことにより、味がマイルドで甘く、にんじん特有の青臭さが少なく歯切れの良いにんじんに育ちます。

雪下にんじんは、山間地の雪の多い地域で生産され、「雪味にんじん」や「雪割にんじん」とも呼ばれています。

7月中・下旬に種をまいて、雪が降るまでに大きく育て、12月から雪の下で越冬させます。その後、3月末から4月末にかけて、およそ2メートルもの雪を取り除きながら収獲します。

雪が溶けて、にんじんの新芽が出てくるまでに収獲を終えなくてはならないため、出荷期間は短く、期間限定となっています。

雪の下で冬を越えると、なぜ甘くなるの?

雪の下で冬を越したにんじんは、甘みやうま味を感じる成分であるアスパラギン酸、グリシン、セリンなどのアミノ酸の含有量が大きく増加します。また、豊かな香りの成分であるカリオフィレンも増加します。
これらの変化が、雪下にんじんのおいしさに関わっていると考えられます。

また、雪の下は温度が一定(0℃)なため凍らず、水分があり乾かないため、「みずみずしく、味はマイルドで甘く、香りがよく、歯切れの良い食感」が楽しめるのです。

雪下にんじん以外にも、越冬キャベツや越冬白菜もあり、雪国の知恵として昔から行われている栽培方法のようです。

【参考】
農林水産省 aff2019年12月号
新潟県HP 農林水産業「3月の旬 雪下にんじん」

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