健康的な食事の「質」を考える ~イギリスの最新基準と野菜・果物の重要性~
「健康のために野菜を食べているけれど、これで合っているのかな?」
「忙しい時は野菜ジュースで済ませてもいい?」
日々の食生活の中で、そんな疑問を感じることはありませんか。
実は、2026年、食環境の改革が進むイギリスでは、新しい基準が本格的にスタートしました。
テレビやインターネット上で、ポテトチップスや甘い飲み物の広告が厳しく制限されるようになったのです。
その背景にあるのは、「2018年栄養プロファイリングモデル(NPM 2018)」という評価システム。
これは最新の栄養学に基づき、食品に含まれる成分から、その食品が「健康的」か「健康的でない」かを客観的にスコアリングするツールです。
こちらの記事では、「何を食べ、何を控えるべきか」が明確になったイギリスの最新基準をヒントに、私たちが今日から取り入れられる「本当に健康的な食生活」のコツを紐解いていきます。

カロリーだけじゃない!「中身」で決まる評価システム
イギリスで導入された評価システム「2018年栄養プロファイリングモデル(NPM2018)」は、単にカロリーの高さだけで「健康的かどうか」を判断しません。
ポイントは、食品に含まれる成分を「プラスの点数(積極的に摂りたいもの)」と「マイナスの点数(控えたいもの)」に分け、その合算でスコア化していることです。
なかでも、「どれだけ野菜や果物が含まれているか」は、その食品が健康的かどうかを左右する非常に大きな決め手となります。
【スコアの判定基準(イメージ)】
| 控えるべき要素(摂りすぎに注意) | 評価を高める要素(積極的に摂りたい) |
| エネルギー(カロリー)、飽和脂肪酸、食塩、遊離糖類 | 野菜・果物・ナッツ・種子の含有量、食物繊維、たんぱく質 |
知っておきたいキーワード「遊離糖類(フリーシュガー)」
こちらの基準で特に注目されているのが、「遊離糖類(フリーシュガー)」という考え方です。
「遊離糖類」とは、砂糖やハチミツなどの後から加えた糖分だけでなく、果汁やスムージーのように、加工によって細胞の外に溶け出した天然の糖分も含まれます。
果物などを噛んで食べる時には壊れない「細胞壁」が、加工によって壊されることで外に溶け出してしまった糖分のことを指します。
ここで大切なのが、素材そのままの姿で食べる「リアルフード」という視点です。
- 丸ごとの果物をとる:リンゴを例に挙げると、丸ごと食べるのとジュースで飲むのとでは、体への影響が異なります。
ジュースに加工されると、大切な食物繊維が失われ、糖分が吸収されやすい「遊離糖類」へと変わってしまうからです。 - 「野菜入り」という言葉に安心しすぎない:野菜入りのお菓子であっても、高度な加工で食物繊維が失われ、代わりに塩分や油分が多ければ、この基準では「健康的」とは言えません。
特定の食べ物を「良い・悪い」と分けるのではなく、「素材本来の栄養を壊さずに、いかにそのまま取り入れるか」が重要視されています。

日本の私たちが「あと一皿」でできること
イギリスの基準を日本の現状に当てはめてみると、私たちの食卓をより良くするヒントが見えてきます。
- 「野菜350g」の量と質のバランス
日本人の平均野菜摂取量は約280g〜290gと、目標にあと一歩届いていません。忙しい時は野菜加工品に頼る場面も増えていますが、加工の過程で食物繊維が減少している場合もあります。量だけでなく「素材に近い形で摂る」意識が、より健康的な選択に繋がります。 - 深刻な「果物不足」
日本の果物摂取量は、世界的に見ても低い水準です。「果物は甘いから」と敬遠されがちですが、素材そのままの果物は、食物繊維と水分をたっぷり含んだ優秀な食材です。
無理に手の込んだ料理を作る必要はありません。
いつもの食卓にミニトマトや食後にカットフルーツを添える。
「あと一皿」を加えることが、健康的な食卓への大きな一歩になるかもしれません 。

イギリスの新しい基準が教えてくれるのは、悪いものを排除することではなく、「質の高い食材をどうプラスしていくか」という前向きな姿勢です。
お店で手に取ったとき、「これは、何からできているのかな?」と一瞬だけ立ち止まって、できるだけ「野菜や果物の形」が見えるものを選んでみてください。
Department of Health and Social Care. (2026). UK nutrient profiling model: review and consultation outcome. GOV.UK. Retrieved from https://www.gov.uk/government/consultations/consultation-on-the-uk-nutrient-profiling-model-2018-review/outcome/uk-nutrient-profiling-model-review-and-consultation-outcome