世界を旅するサラダで、歴史とルーツを学ぼう!
食卓に最も上がる野菜メニューとして知られる、サラダ。(※1)
シンプルでありながら、多様なバリエーションを持つ魅力的な料理ですよね。
野菜をふんだんに使ったサラダは、健康的で栄養価も高く、食卓を豊かに彩ります。
みなさんは、サラダの語源やルーツを知っていますか?
サラダの語源と歴史は?
サラダを表す言葉は、ラテン語で「塩」を意味するsal(サール)が由来です。
最近では、サラダは、ドレッシングで味つけをすることが多いですが、元は塩で味つけをしていました。(※2)
古代ギリシャ、ローマの時代には、主にきゅうりなどの生野菜を食す習慣があったと考えられており、サラダの起源はここにあると考えられています。(※3)
紀元前から食べられていたサラダですが、日常の食卓に当たり前のように登場し始めたのは20世紀に入ってから。そこに健康志向、ヴェジタリアン、ヴィーガンという流れが加わり、サラダブームが巻き起こりました。
アメリカには、サラダ専門のレストランが街の至るところにあり、新たなサラダが次々と誕生しているのです。(※4)
ここで、サラダの有名な小噺をいくつか紹介します。
サラダで世界を旅しよう!
■ シーザーサラダ
日本でもお馴染みのシーザーサラダ。
サラダの中でも人気が高いロメインレタスのサラダの元祖は、メキシコにあります。
アメリカで最も人気のあるサラダなので、アメリカのサラダと思っている人も多いかもしれません。しかし、起源はアメリカではなく、メキシコ。シーザーとは、メキシコのレストランオーナーの名前です。
オリジナルのロメインレタスはちぎらずにそのままで、ドレッシングには卵黄とアンチョビが入ります。クルトンを使うことも多いですが、元祖を見るとスライスしてトーストしたバゲットがそのままのっています。
■ コブサラダ
大恐慌の最中、ハリウッドにあった今はなき「ブラウン・ダービー・レストラン」で考案されたと言われています。
コブサラダは、残り物でつくった大盛りサラダが、大ヒットしたことがきっかけで誕生しました。夜、レストランが締まる時間に残った食材を集めて、カリカリに焼いたベーコン、レストラン自慢のフレンチドレッシングをかけて食べたのが始まりです。
コブサラダの名前は、レストランオーナーの「ロバート・ハワード・コブ」が由来しているそうです。
■ オリヴィエサラダ
マヨネーズ系ポテサラの元祖で、ロシアの伝統的なジャガイモサラダ。
日本のポテサラも含め、マヨネーズ系のジャガイモサラダは、元を辿ればロシアのオリヴィエサラダに行き着くそうです。
このサラダを考案したのは、1860年代にモスクワで有名だったレストランのシェフ、「ルシアン・オリヴィエ」。当時のオリヴィエ・サラダには、キャビア、ライチョウ、仔牛の舌など今でも珍しい食材が使われていました。
現代版はかなり簡略化され、どこでも誰でも簡単に手に入る食材でつくられています。
今では、食卓で当たり前の存在になっているサラダ。
そのルーツを知ると、食べるのがより楽しくなりそうですね!
海外旅行に行かれる際には、前菜やサラダにも目を向けてみてはいかがでしょうか。
他にも、世界にはさまざまなサラダがあります。
ぜひ調べて、お気に入りのサラダを見つけてください!
【今日の献立に悩んだらベジラボレシピ! 】
https://vegetablescience.org/recipe_keyword/%e3%82%b5%e3%83%a9%e3%83%80
野菜科学研究会が制作している「ベジラボレシピ」にも、さまざまなサラダのレシピを掲載しています。ベジラボレシピに掲載しているのはレシピでは、1人1食あたり120g以上摂取することができます。
野菜を手軽に、美味しく、楽しく食べましょう!
【参考文献】
1)株式会社ライフスケープマーケティング「食MAP」
2)杉村喜光著, 『そんな理由!! アレにもコレにも! モノのなまえ事典』ポプラ社, 2023.
3)独立行政法人 農畜産業振興機構HP
「サラダ進化論~ローマ時代から現代、そして未来へ~」
4)佐藤政人著, 『世界のサラダ図鑑: 驚きの組み合わせが楽しいご当地レシピ304』論文堂新光社, 2021.