北海道の恵みを全国の食卓へ!「ホクレン」がつなぐ生産者と消費地、農業の未来

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日本の食卓を支える北海道農業。広大な大地で育まれる新鮮な野菜は、首都圏をはじめ、全国の食卓へ届けられています。

なかでも、じゃがいもやたまねぎなどの多種多様な青果物の流通を担い、生産者と消費地を結ぶ拠点となっているのが「ホクレン農業協同組合連合会」です。

ホクレン東京支店 青果課の柿沢佳孝さんは、じゃがいもをはじめとする農産物の流通・販売を担当。日々、産地から届く情報をもとに市場やスーパーなどの取引先との販売調整を行いながら、生産者の声に耳を傾け、「どうすれば、適正な価格・評価につながるか」を考えています。

野菜を作る人と、食べる人。その間に立つ柿沢さんの、生産者と消費者をつなぐ取り組みや想い、そして生産現場を取り巻く環境が変化するなかでの、北海道農業の未来に迫りました。

柿沢 佳孝(かきざわ よしたか)/ホクレン農業協同組合連合会 東京支店 青果課
平成27年 ホクレン農業協同組合連合会 入会 種苗課 配属
令和2年 東京支店 青果課へ異動 馬鈴しょ・人参販売担当
令和6年 東京支店青果課 係長

産地の情報を、消費地のニーズとつなぐ。ホクレン東京支店の役割

柿沢:
ホクレンの事業は、大きく「購買」「営農支援」「販売」の3つに分かれます。生産資材の供給や施設建設などを担うのが「購買」、農家の経営や栽培をサポートするのが「営農支援(※1)」、そして生産された農産物を全国へ届けるのが「販売」です。私が所属する東京支店青果課では、この「販売」を担当しています。

(※1)営農支援:農家の経営と栽培をサポートし、農業を持続可能にする取り組み。

柿沢:
そうですね。北海道内各所の事業所(集荷拠点)では、「集荷」と「産地情報の収集」が主な役割となっています。現場での収量調査や出荷計画の策定、今後の産地状況に関する情報発信を行っている場所ですね。

一方、私たちのような道外支店は「販売」が中心です。道内から届く情報をもとに、市場や量販店(スーパー)などの取引先と、出荷調整や価格交渉を行っています。

柿沢:
私は主に、加工用じゃがいも(バレイショ)の担当と品目全般の統括をしております。

毎朝、9時に出社してから、まずは市場の取引価格を確認します。各所からのお電話で貴重な情報をいただくことも多いので、朝一番のご連絡は楽しみですね。日中は、取引先との販売協議やデリバリー業務、事務作業を進めます。

さらに北海道から上京されるJA関係者様や農家さんがいらっしゃる際は、販売会議や、一緒に取引先を回る際のアテンド(案内)なども行っています。 

柿沢:
私たちは主に、JA担当者様と、今後の作付計画や出荷スケジュール、大玉・小玉といった規格ごとの提案などを行っています。

農家さんの営農を守るためには、適切な販売単価を確保することも欠かせません。日々、「どうすればより高く評価され、適正な価格で売れるか」を一緒に考え、試行錯誤しています。

その時、特に意識しているのは、農家さんが「今、何に困っているのか?」にしっかり耳を傾けることです。課題を吸い上げて解決することが信頼関係の構築、そして、安心して営農を続けられる環境づくりにつながるのです。

柿沢:
そうですね。実際の販売を行うのは市場や仲卸、量販店ですが、私たちが「こういう形で売り出していきたい」という方針や戦略を打ち出し、一緒にアピールしていくことが多いです。

また、地域によって売り方も変わります。じゃがいものなかでも、関東と関西では需要に違いがあり、関西では「メークイン」の人気が高い傾向にあります。地域ごとの特性や需要に合わせたアプローチを考える必要があるのです。

年間40万トンの北海道野菜を全国へ。野菜の鮮度と品質を守る流通の工夫

柿沢:
東京支店青果課で扱う野菜は、じゃがいもとたまねぎが全体の売上の約半分を占めています。そのほか、にんじん、トマト、ながいも、だいこん、ブロッコリー、かぼちゃ、スイートコーン、メロンなど多岐にわたり、年間の取扱数量は約40万トン、売上規模は約633億円に上ります。主な販売先は、青果市場や加工業者・食品メーカー様などです。

柿沢:
品質管理には徹底的にこだわっています。収穫直後に温風を当てて水分を飛ばす乾燥処理や、品温を下げる冷却処理のほか、産地によっては、収穫から1時間以内の洗浄・冷却を徹底するなど、細心の注意を払っていますね。

もともと、じゃがいもやたまねぎは保存が利く野菜です。ただ、秋から春先まで長期間出荷する必要があるため、低温貯蔵庫で温度・湿度・酸素濃度を厳格に管理する工程も欠かせません。芽が出たり品質が劣化したりしないよう、野菜にストレスを与えない環境をしっかりと整え、心を込めて全国へと送り出しています。

「売れる野菜」ではなく、「選ばれる」仕組みを作る。生産者と消費者をつなぐ活動

柿沢:
ホクレンと卸売市場で北海道青果物の販売について協議する会議体である「東京ホクレン会」を開催し、北海道青果物の産地状況を共有し、各市場から集まる現場の課題やニーズ、消費トレンドを吸い上げて、今後の販売方針を協議・フィードバックしています。

最近では、ブロッコリーが国の「指定野菜(※2)」に追加されたことが話題に上がりました。「サンマが旬の時期には、付け合わせに使う『だいこん』の需要が増加する」といったように、季節のトレンドも細やかに共有されています。

(※2)指定野菜:特に消費量が多く、国民の食生活に欠かせない重要な野菜として、農林水産省が指定している品目。2026年10月現在、ブロッコリーを含む15品目が指定されている。

柿沢:
時代の流れといえば、コロナ禍には「ポテトチップス」の需要が大きく増加しました。在宅時間が増えたことで、大人のおつまみとしての消費が急増したそうで、メーカー様からの要望は大きく増えましたね。

逆に、外食やホテルからのポテトサラダなどの大量注文は一時、落ち込みましたが、現在は国内旅行やインバウンドの回復とともに戻ってきています。

柿沢:
最近では、産地で新しく作付けが進んでいるじゃがいもの新品種「ゆめいころ」の普及と認知度向上に力を入れています。一般にはまだ馴染みが薄い品種かもしれませんが、「ゆめいころ」は、くぼみが浅くて皮がむきやすく、病害虫にも強い特徴があります。収量も良く、ポテトサラダをはじめ男爵薯のように幅広い料理に合う、期待の品種です。

以前、ポテトサラダなどのじゃがいも加工メーカーやスーパーと、店頭で「ゆめいころ」をアピールするコラボレーション企画を行いました。生産者・JA・ホクレン・メーカー・スーパーが一体となって取り組んだことで、産地にとっては認知度向上、スーパーにとっては売上増加につながる、「双方にとってプラスとなる関係」を構築できました。大きな手ごたえを感じましたね。

変わりゆく北海道農業。野菜を作り続けるための、新たな仕組み

柿沢:
近年の酷暑や水不足といった気候変動は、作柄に大きな影響を与えています。

また、北海道では、離農された方の畑をほかの生産者が引き受ける取り組みによって、1戸あたりの経営面積が急速に拡大しています。一方で、個人で管理できる範囲を超えてしまうケースも出てきました。

その結果、栽培の手間が多くて重いかぼちゃなどの品目は敬遠されて減少傾向となり、機械化しやすく労力を抑えられる、小麦や大豆などの品目へとシフトする動きも見られます。 

柿沢:
まず重要なのが、適正な価格形成です。肥料や燃油代、人件費など、生産コストはどんどん上がっています。そういった事情も考慮して取引していただけるよう、市場や量販店様に働きかけているところです。

現場の作業負担を減らす取り組みも欠かせません。かぼちゃでいえば、ホクレンが一元集荷から選別、箱詰め作業を代行する広域施設の整備を進めています。

収穫状況などの畑の管理には、GPSも活用しています。情報がひと目でわかるので、生産者が効率的に安心して作付けを維持できる環境が少しずつ整ってきていますね。

柿沢:
物価の高騰やライフスタイル・社会情勢の変化により、以前と比べて国内の消費量が減少傾向となる中で、野菜の面積も減少し、需要と供給の両方が少しずつ縮小し、今は結果的にバランスが保たれている状況なのだと思います。

需要と供給は常に変化していきますから、今後もマーケットの動きを注意深く見極めていく必要がありますね。

柿沢:
生食・加工・輸出による各チャネルの中で可能な限り全体最適となるような販売を行っています。じゃがいもは国内消費が中心ですが、スーパーなどの小売の他に加工業者や食品メーカーへの供給、最終的にはでん粉原料としての活用を行っています。たまねぎは、一次加工業者やメーカーなどの加工用途への供給と、台湾などへの海外輸出を行うなど、北海道全体で協力しながら販売する仕組みを構築しております。

そして、北海道野菜の強みは何と言っても「安心・安全」と「美味しさ」、圧倒的な「供給力」です。この魅力が国内外問わず評価されることが、安定供給を支えています。

柿沢:
ありがとうございます。ホクレンの役割は、ただ「野菜を売る」のではなく、生産者の方々が安心して作り続けられる環境を整え、その野菜を必要とする人たちのもとへ届けること。日本の食の「インフラ」を支える存在だと考えています。

柿沢:
現在は、生産者の方々に「この企業のために野菜を作りたい」と思っていただけるよう、工場見学や産地交流などの機会は積極的に作るようにしています。自分たちの作った野菜がどのように商品化され、消費者に届いているかを知ることは、農家さんや農協さんにとって、非常に大きなモチベーションになりますから。

そして、今後も北海道野菜の魅力を発信し、全国へ広げていきたいですね。消費者の皆さまには、ぜひ、季節ごとに届く北海道の野菜を楽しんでいただけたら嬉しいです。

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