野菜と果物摂取に与える計画の有無とストレスの影響:ランダム化対照試験
もしかしたら、あなたのストレスは、健康な食生活に影響を与えているかもしれません。
ストレスが多い状況では、健康的な食事を維持が困難になることが指摘されています。
こちらの記事で紹介するのは、野菜や果物の摂取量を増やすための介入効果を検証し、計画の有無とストレスの影響を調査した研究です。
研究に参加したのは、果物や野菜をもっと摂りたいという意思はあるものの、具体的な計画は立てていない中国人成人99名(平均年齢23.84歳)です。
被験者は、2つのグループに分かれました。
グループ1は、果物や野菜の摂取量を増やすための具体的な計画を立てましたが、グループ2は何も介入を受けませんでした。
グループ1の参加者は、7日間にわたる介入で、次の日に食べる果物や野菜の量、場所、タイミングを具体的に計画し、困難が生じた場合の対処法についても考えました。
一方、グループ2は特に指示を受けませんでした。
その結果、計画を立てたグループ1は、果物や野菜の摂取量が有意に増加しました。
特にストレスが低い人たちでは、計画が、摂取量の増加に強く影響していることがわかります。しかし、ストレスが高い場合は、計画を立てても効果が薄れることがわかりました。
この結果は、計画を立てることが食生活の改善に効果的である一方で、ストレスがその効果を妨げる可能性があることを示しています。
果物や野菜の摂取量を増やす計画に、ストレスを軽減する方法を組み合わせることで、より効果的な介入が可能になるかもしれません。
ただ、自己申告によるデータであるため、摂取量の正確性に限界がある可能性があります。また、追跡期間が短かったため、長期的な効果については今後の研究が必要です。
この研究からは、ストレスが健康的な食生活の妨げになることが確認されました。
計画を立てるだけでなく、ストレスを管理することが、野菜や果物の摂取量を増やすカギとなるかもしれません。
【引用文献】
Qianqian Ju, Yiqun Gan, Huini Peng, Binghui Li, Shu Nie, Ralf Schwarzer, Does Stress Compromise Fruit and Vegetable Intake? A Randomized Controlled Trial Testing a Model with Planning as a Mediator and Stress as a Moderator, Nutrition, 2024, 112581, ISSN 0899-9007, https://doi.org/10.1016/j.nut.2024.112581.