4月20日「ジャムの日」に知る、甘くて美味しいだけじゃないジャムのチカラ

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4月20日は、「ジャムの日」です。

この記念日は、1910年(明治43年)4月20日に長野県北佐久郡三岡村(現在の小諸市)の塩川伊一郎氏が「いちごジャム」を皇室に献上したという記録に由来します。

日本のジャム産業の土台を築いた塩川伊一郎氏の技術を称え、日本ジャム工業組合によって制定されました。

「ジャムの日」のロゴマーク(出典:日本ジャム工業組合 HP)

100年以上にわたって日本の食卓を彩ってきたジャムですが、最近では「砂糖が多くて太りそう」「血糖値が急に上がりそう」など、少しネガティブなイメージを持たれることもあります。

しかし、最新の研究データを詳しく見てみると、そんなイメージを覆すジャムの意外な健康パワーが明らかになっています。

塗りすぎなければ大丈夫!ジャムと血糖値の意外な関係

はじめに、多くの人が気にするジャムの「糖分」と血糖値の関係について。

健康な大人を対象にした研究では、「食パン1枚(60g)だけ」を食べた時と、「食パン1枚に大さじ約1杯(20g)のいちごジャムを塗って食べた時」を比較しました。

すると、驚くことに食後の血糖値の上がり方や、トータルの血糖上昇量に大きな差は見られなかったのです!

つまり、大さじ1杯程度の一般的な適量であれば、パンにジャムを塗ることで血糖値が急上昇することを過度に心配する必要はないといえます。

スプーン1杯で倍増?手軽に摂れる「ポリフェノール」

次に注目したいのが、ジャムに含まれる「ポリフェノール(抗酸化成分)」の力です。

果物には、血管の老化などを防ぐポリフェノールが豊富に含まれています。しかし、実は、日本人の果物消費量は世界的に見てもかなり少ないのが現状です。

ある研究では、日本人の若年〜中年の女性が果物から摂っているポリフェノール摂取量は一日841mg。
そのうち、飲料を除く食事からの摂取量は177mgで、果物類からは13.8mgと報告されています。

生の果物を毎日用意することが難しい人にとって、保存性が高く手軽なジャムは立派なポリフェノール摂取源となります。

実際に、1回分(約20g)のジャムを食べるだけで、およそ4.6〜26.3mgのポリフェノールを摂ることができます。

いつものパンやヨーグルトにスプーン1杯のジャムを添えるだけで、果物由来のポリフェノール摂取量を一気に倍増させることも可能なのです!

「煮込んだら栄養がなくなる」は誤解?ジャムを守る成分の正体

「ジャムは加熱するから、栄養が壊れてしまうのでは?」と思う人も多いかもしれません。

確かに、熱に弱いビタミンCやアントシアニンなどの成分は、加熱によってある程度減ってしまいます。

しかし、ジャム作りに欠かせない「高濃度の糖」や「ペクチン(食物繊維の一種)」には、驚きの役割があります。

実は、これらの成分が「バリア」として働き、抗酸化成分が急激な分解を防ぎ、安定した状態をキープ。

糖が成分の分解を抑え、さらにペクチンがポリフェノールの一種「アントシアニン」と結びつき、熱からしっかり守ってくれるのです。

この「バリア効果」があるからこそ、加熱調理されているにもかかわらず、ジャムには果物本来の抗酸化作用がしっかり残っているのですね!

今年の「ジャムの日」は、100年前のジャム作りの歴史に思いを馳せながら、お好みのジャムを楽しんでみませんか? 

糖分を気にしすぎて敬遠するのではなく、賢く取り入れることで、美味しく健康的な一日をスタートさせましょう。

【参考文献】

1)Tomoka K et al., Glycemic Index and Postprandial Blood Glucose Response to Japanese Strawberry Jam in Normal Adults. J Nutr Sci Vitaminol, 2010, 56: 198-202.
2)岩島知未ほか, 果実ならびに果実ジャムの抗酸化作用に関する研究,機能性食品と薬理栄養, 2015, 9:141-148.
3)Yoichi F et al., Coffee and beverages are the major contributors to polyphenol consumption from food and beverages in Japanese middle-aged women, J Nutr Sci, 2014, 3:1-10.
4)Kaunsar J S et al., Stability of bioactive compounds in fruit jam and jelly during processing and storage: A review, Trends in Food Science & Technology, 2018, 75:181-193.

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