野菜摂取の種類と量を増やすと幸福度が高まる
野菜の摂取が、健康上に利点をもたらすことはすでによく知られています。
具体的には、心血管疾患、糖尿病、がん、その他の生活習慣病などの予防やリスク軽減に関する研究はすでに広く実施され、ポジティブな結果が多くあります。
ところで、WHO憲章での健康の定義は、以下のようになっています。
「健康とは、肉体的、精神的及び社会的に完全に良好な状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない。」
身体の健康と同じくらい、心も健全であることの重要性が強調されています。
そこで、この記事では、野菜摂取が幸福度に与える影響について調べた研究をご紹介します。
一般的にこうした研究は、野菜と果物をセットにして解析しているものが多いのですが、本研究は野菜単体での効果を検証している点でも特徴的な研究です。
アメリカの18歳から65歳、BMIが25以上の男女75人がこの研究に参加しました。
被験者を2つのグループに分け、一方のグループは通常の食事を続け、もう一方のグループにはアメリカの食事摂取基準(DGA)が推奨する種類と量の野菜を8週間毎日食べてもらいました。
介入の8週間の前後で、幸福度を主観評価して、スコアを比較しました。
その結果、野菜を食べたグループは、食べなかったグループよりも有意に8週間後の幸福度が高かったことが分かりました(p=0.015)。
この研究から、多様な種類と量の野菜を毎日食べることで、栄養面だけでなく心理的健康の改善にも役立つ可能性が示されました。
【参考文献】
Angela De Leon et al., Consumption of Dietary Guidelines for Americans Types and Amounts of Vegetables Increases Mean Subjective Happiness Scale Scores: A Randomized Controlled Trial, Journal of the Academy of Nutrition and Dietetics, Volume 122, Issue 7, 2022, Pages 1355-1362.