第3回 野菜科学研究会シンポジウムを開催しました!
2026年8月18日、東京農業大学 世田谷キャンパス内横井講堂にて「第3回 野菜科学研究会シンポジウム」を開催しました。
テーマは、「気候変動下の野菜科学 ~生産の最前線から社会の新たな価値創造へ〜 」。
育種・生産現場の最前線から、環境と調和する新しい食生活のあり方まで、5名の専門家の先生方による最新の知見が共有されました。
当日の内容をご紹介します!
◆ 開会挨拶
開会の挨拶では、当研究会の宇都宮一典理事長から、これまでの野菜の研究に加えて、私たちの食卓を豊かに彩る「果物」を新しく活動対象に加えること、慢性疾患の予防における野菜・果物の重要性をエビデンスに基づいて発信することの重要性についてお話をいただきました。
◆ 基調講演:「日本の食育どこへ行く?」
日本栄養大学 栄養クリニック 教授 蒲池 桂子 先生より、日本の食育の歴史的な歩みを振り返りながら、生活習慣病予防を見据えた「これからの食育」について意見が述べられました。
ただ「バランスよく食べましょう」と言うだけでなく、科学的なデータに基づき、一人ひとりの健康に寄り添った多角的な栄養アプローチを行うことの重要性を教えていただきました。
◆ 講演①:「気候温暖化によるイチゴ生産への影響とこれに対応した品種開発の課題」
一般社団法人日本種苗協会 技術顧問 望月 龍也 先生より、いちご生産について、市場の需要と供給の現状や課題、温暖化に対応した品種の開発について分かりやすくお話を頂きました。
◆ 講演②:「『自然っておいしいね。』をタネから創る 〜機能性『マスダケール』の魅力とそれを支える国内種子生産戦略〜」
株式会社増田採種場 専務取締役 増田 秀美 先生より、ケールと芽キャベツのハイブリッド「プチヴェール®」や「マスダケール®」の開発物語、日本の種子自給率を高めるためには、国内での安定した種子生産体制を支え続けることの重要性について改めて再認識を致しました。
◆ 【講演③】持続可能な食生活をどう設計するか
東京大学大学院 准教授 龍 吟 先生より、必要な栄養を満たしながらカーボンフットプリント(温室効果ガス排出量)を最小限に抑える食事の組み合わせを、研究モデルを使って解説頂き、外食や中食(お惣菜)も含めた、フードシステム全体で社会的な仕組みをデザインしていく大切さが示されました。
◆ 【講演④】レタスのサプライチェーンと食品ロス
東京農業大学 教授 佐藤 みずほ 先生より水分が多くて傷みやすい「レタス」に着目し、日米のサプライチェーンを比較。食品ロスを自分ごととして捉えてもらうために、シリアスゲームや消費者ワークショップなどの新しい教育ツールを活用した取り組みをご紹介いただきました。
シンポジウムでは、当研究会の後援企業・団体様やご登壇企業様による体験、試食イベントが実施されました。

・「ベジメータ®」による野菜摂取量測定体験
指先を数十秒センサーにかざすだけで、皮膚のカロテノイド量を測定し、日頃の野菜摂取状況を数値化!自身のスコアに一喜一憂しつつ、生活習慣を見直す大人気のコーナーになりました。
・アヲハタ株式会社様ご提供「くちどけフローズン(いちご・アプリコット)」のご試食
果物をより楽しむ冷たくて美味しいおやつ体験!ひんやり甘酸っぱいフローズンフルーツに、来場者の皆様にも大変好評いただきました。
・株式会社増田採種場様ご提供「ケールパウダー」の試飲会
「ケール=苦い」というイメージを覆す、すっきり飲みやすいケールパウダーを提供いただきました。多くの方がその美味しさと手軽さに驚かれていました。

シンポジウムの最後を飾ったのは、当研究会の金光智行理事による閉会の挨拶でした。
気候変動という大きな変化の中で、つくる人から食べる人まで皆が「野菜と果物の価値」を正しく選んでいくことの大切さを再確認し、シンポジウムは大成功のうちに閉幕しました。
野菜科学研究会は、これからも科学的エビデンスに基づき、野菜と果物の確かな価値を広く社会へ発信してまいります。
第3回野菜科学研究会シンポジウムの要旨集は、こちらからご覧ください。